酸性化粧水の目的

酸性化粧水や酸性リンスの目的は二つあります。
一つは、洗顔や洗髪で弱くなった肌の「カラ」つまり角質を引き締めること。
もう一つは、肌の「カラ」や髪に残った石けんを中和することです。
皮脂に含まれる天然の酸性化粧水(pH5〜6)は、油脂が脂肪酸に分解したときに発生するグリセリンを含むので、ややベタつき感があります。角質という肌のカラにとっては、このような粘性のある酸性化粧水がちょうどよい環境なのですから、カラの弱い人にはこのようなやや粘りのあり酸性化粧水がよいと思います。
酸性化粧水の目的
逆に角質を滑らかにしっとり潤すというようなタイプの化粧水は、カラの弱い人には向いていません。
もし、年齢的に新陳代謝が低下して、新しい皮膚も生まれにくくなり肌が硬くなった人には、保湿剤タップリの保湿性化粧水をはたきこめば皮膚は柔らかくなり、表面の角質が垢となってはがりやすくなる。
つまり、新陳代謝を高めてくれるので、対処法としては良い場合もあります。
しかし、「乾燥が怖い」「肌に必要なのは水分である」と思い込んで、肌を水びたしにする保湿重視のトロトロの化粧水を使い続けると、ますますカラを弱めてしまうことになります。
肌が弱っていたり、老化したりすると、肌に皮脂が分泌して再び酸性に戻るまでに一時間も二時間もかかることがあります。乾燥肌の人はみんなそうです。
やはり肌のカラは、いつも弱酸というよい環境に置いておいた方が良いのです。
酸性化粧水を使い続けると・・・
肌の弱い男性や、もともと肌の弱い女性は洗顔後に限らず、酸性化粧水を常用していると、肌が丈夫になってくることがわかります。
何もしないで放っておいてもどっちみち、やがて酸性に戻るということと、直ちに酸を与えて補強しておくということとは、意味が違います。
ノーメイクでも、酸性化粧水だけは常用すべきだし、ニキビ肌の人も常用された方が良いのです。
化粧水選びのポイント・・・

化粧水については、意外とたくさんの種類があって、けっこうややこしいのですが、化粧水は親水性の成分しか溶かせないはずです。親水性の成分なら顆粒層という角質の下にある層によって完全に弾かれてしまい、肌の中に入ることはできません。
なので、化粧水の成分が肌に入って役立つなどということはありえないわけです。入るのは合成界面活性剤を用いてカラを壊したときか、過剰な保湿の連続で皮膚バリアが弱くなってしまったときです。
ですから、パッケージにさまざまな効果のありそうな言葉がちりばめられている化粧水には、すぐに飛びつかないことです。
化粧水とは、皮脂中の酸性化粧水の代用品であることが第一条件です。
この第一条件に付加価値をつけるにしても、たとえば女性の弱い外のカラをより強く固めて補強するとか、あるいは年齢を重ねて厚く硬くなりすぎてしまった外のカラを少し溶かして、剥がれ落ちやすくして新陳代謝を高めてあげることができるかが、化粧水選びの大事なポイントになります。